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<隠し・大団円ルート>
鍵の乙女は幼い頃から運命に翻弄され、ファルツォーネに監視や軟禁までされるのに、片やファルツォーネ当主は「鍵の乙女を選ばなくてもいい」ってなかなか身勝手な封印じゃないですか!?!?完全にファルツォーネ側の都合なんだから、鍵の乙女から矢印が向いたならそこは責任とろうよ。
そんな封印をほどこしたために生まれたひとつの悲劇。…なのですが、ファルツォーネが墓守になってから実に2000年がたっているそうで、その間にも色々あったのではないでしょうか。
ダンテのページにも書きましたけど、星の導きがあるとはいえ鍵の乙女が乗り気じゃない場合もいっぱいあったでしょうし。今回の主人公だって、ダンテ以外の色んな人と恋する可能性があったわけですしね。
エミリオは「昔はもっと簡単だった」と言ってましたが、確かダンテに「なぜ鍵を手にしているのに使わないのかわからなかった」みたいなことも言ってましたよね。乙女は道具前提なのか…。
「ファルツォーネ当主は鍵の乙女を選ばなくてもいい」+「鍵の乙女がファルツォーネ当主を好きになるとは限らない」なのに「聖遺物の封印を解くには当主と乙女が結ばれていなければならない」。このコンボがやばいです。
いくら伝承の重みが薄れているといっても事実としてあるわけだし、いざ聖遺物の封印を解かなきゃとなった時に、当主と乙女が両思いじゃない場合は?というか、そういう事態のほうが多いのでは???
そうなった時、今回出てきた教国の人間(聖下、エミリオ、ロズベルグ卿、オルロック、モブ)の言動からみるに、教国は目的を果たすため「2人を無理矢理結ばせる」と思うのですよ。ひどい。ひどい。何この不幸システムは。
というわけで、私自身も鍵の乙女システムには思うところがあるので、アンリがファルツォーネに復讐したい気持ちはわかるのです、が…。
大団円(アンリ)ルートとギルルートが被っているせいで、ヴィスコンティを陥れる話がメインになってしまっていたため、ラスト直前まで感情移入できませんでした。。ヴィスコンティは教国にも封印にも関係ないので、とんだとばっちりです。
ファルツォーネ憎さにマフィアもブルローネも嫌い、わからなくはないですけど…。やっぱり偽札の話はギルの個別ルートとして、大団円ルートはその時逃げた黒幕が再びファルツォーネをメインに復讐をしかけてくる話が読みたかったです。
(アンリルート)
最後の最後で、アンリがファルツォーネの親戚からひどい扱いを受けていたと知ったので、ファルツォーネへの恨みが歪んで増幅されたことについては納得できました。
できましたけど、復讐のために関係ないガリエ家みなごろしや諸々してるので、やっぱりそこまで同情はできないかな。クロエも可哀想な境遇だと思いますけど、身重の奥さんを突き落としたりしてるので同情しにくいんですよね…。可哀想なら何をしてもいいってわけじゃないもの。
プレイヤーの私はそんな気持ちで見ていましたが、慈愛の主人公はアンリのすべてを許して側にいてくれたので良かったですね。これからゆっくりと自分の人生を取り戻していってほしいと思います。
(大団円ルート)
アンリの遺体は見つからなかったとのことで、きっと地下通路に逃げ延びているのでしょう。でももう自分の手で復讐しようとは思わなさそう。どこかで静かに暮らせるといいですね。
さて、やっとメインの攻略キャラたちの話です。これまでは誰と結ばれても誰かはしんでしまう悲しさがありましたが、大団円は誰とも結ばれない代わりに誰もしなない!もうここまでプレイするとメインサブ含めてみんなみんな好きになっているので、このルートがあって本当によかったです。
他ルートではいがみあうばかりだった3組織が、なんだかんだ仲良くわちゃついてるのが嬉しかった。主人公とニコラが工場から帰ってきた時とか…(笑)
このルートを“正史”と決めなくてもよいので、このルートの続編が出ると嬉しいなあと思います。もちろん教国の闇に切り込むストーリー希望。そして最終的には、ファルツォーネが平和的にマフィアでなくなるところを見たいです。時代とともに姿を変えてきたなら、マフィアを良しとしない世の中でまた別のカタチになるはずですから。
教国と封印関連で気になっているのは、
◆ファルツォーネの祖先は、なぜ教国に黙って聖遺物を持ち出したの?
◆この時点で敵対関係にあってもおかしくないけど、なぜ協力して封印したの?
◆乙女が当主以外と結ばれると鍵の資格を失うようですが、万一の時の備えなのに、封印を解く鍵のない状態が何年もあるっていうのはどうかと思う。←ただの苦言
◆当主が乙女以外と結ばれた場合の乙女(クロエ)はどうなるの?乙女側は使命に縛られたまま?
◆こんな封印方法にした理由と、仕組みを作った人は誰?
などなど…。エミリオ関連も、今作はこれくらいの不思議スパイスでちょうどいいですが、次作があるなら掘り下げてほしいですね。あと、ギルバートとももっと恋愛を楽しみたいよ~。ロッビィとローマで暮らしたり、オリヴァーとドイツに行くルートも欲しいよ~(よくばり)
…と、ここまで長々と書いて記事タイトルにまで書いてなんですが、続編がないならないでもいいんです。それくらい今作だけで満足度が高いですし、気になる部分も「不完全燃焼!」ではなく「想像の余地が残るね…」というものなので。
ただ、公式ブログで“本編に入れられずに全体の構成のために泣く泣く削ったエピソードが割とたくさんある”と書かれていたので、機会があれば見せて欲しいなあと思います。
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またまた長くなったので、サブキャラ感想は次回に。おまけ程度ですが。