水の器: ピオフィオーレの晩鐘 ネタバレ感想&続編希望(4)オルロック ピオフィオーレの晩鐘 ネタバレ感想&続編希望(4)オルロック - 水の器

2018年9月19日水曜日

ピオフィオーレの晩鐘 ネタバレ感想&続編希望(4)オルロック

前回の続きです。今回はオルロックの感想です。

* * *

【オルロック】

生まれた時点で消されてもおかしくなかったと言われてしまう不遇くん。生かされたけれど、与えられた道はアサシン…。出会った時点で罪を重ねすぎているので、犠牲の上にしか安らぎをつかめなくて可哀想になります。

聖職者のもとでほぼ洗脳されながら育ったので、あまりに純粋培養すぎて、楊とはまた違った意味でハラハラしました。プレイヤーとしては彼に恋愛感情を持てませんでしたが、彼がこれ以上手を汚さず生きていけるよう願ってやみません。

ところで、彼がオッドアイの理由はどこかで明かされたのでしょうか。私のプレイでは特に言及がなかったので、もし理由があるなら知りたいと思います。

<BAD>

これは…
オルロックの積み重ねてきた事象が招いた、最悪の、でも納得のBADエンド。

ダンテの実の父親を、ファルツォーネファミリーのカポという存在を、兄のような存在のニコラを、使命によって守るべき鍵の乙女を、想いを寄せていた女性の心を。文字通りダンテのすべてを奪ったオルロックへの憎しみが、ダンテの心を凍てつかせてしまいました。こんなダンテに捕まったらこうなるよねと。

主人公も「神託の聖女」と祭り上げられたかと思えば「民衆を収める生贄」として殺されそうになり、「マフィアの顔に泥を塗った」と追われたあげく「仇の大切なものだから」と手籠めにされるって散々です。彼女がひとりの人間として顧みられることがなさすぎる。つらい。

でも、最初にも言ったとおりオルロックBADとしては「なるべくしてなった絶望」だと思うので、筋書きとしては好きなルートです。締めの文章とトロフィー名も好き。つらいけど…。

<GOOD>

あれこれ理由をつけていたけど、ギルが小さい男だなーという感じ(ギルは人気投票で入れたくらい好き)。知らなかったじゃすまないことがある、利用された側にも責任があるって。他キャラのルートでは大体いい男なので、マフィアとしての理不尽さも持っているみたいな一面を見せたかったのでしょうか。商売絡みだとうるさいのかな。

そんなせいでオルロックに望まぬ戦いと罪を…(怒)

ダンテをころさずに逃げ出したこのエンド。永遠に逃亡生活を続けなければいけなくても、オルロックを止めた主人公を責められません。私ももうあれ以上オルロックが人をあやめるのを見てられなかった。

これまでの罪をいつか償わなければいけないとしても、それは今じゃなくていいと思います。追われ続ける人生そのものが充分すぎる罰のように思います。願わくば、隣にいる彼女と少しでも穏やかな時間を。時代的にマフィアもなくなっていくようですし、追っ手がこなくなる日がくるかもしれない、という期待をこめて…。

…これ、最後、しんでないですよね…?

<BEST>

「おれと猊下が信じる道は、もう、分かたれた。」
この言葉が良かったです。別れは悲しいけれど、これからはオルロックが自分自身で選んだ道を生きていく未来が見えました。

ただ、なぜダンテがここでオルロックを見逃したのかが謎です。BADのようにとらえるなり、ころすなり出来る状況で、憎悪の感情もそのままなのに何故。

このルートのダンテはギルも助けるし、BADやGOODルートのダンテより憎悪度が低いのかもしれませんが、その理由も特にないのでちょっとご都合展開かもと思ってしまいました。最期はダンテ穏やかでしたみたいなのもうーん?そんな許されたみたいなのはいらなかったです。納得できるだけの理由があればいいんですけど、私の読解力が足りないのかな。

まあともかく、後顧の憂いは断ちました。ギルが生きていても、教国の庇護下なのでもう手を出せないでしょう。これからは戦いと無縁の場所で幸せに生きて欲しいです。

…と思うのですが、教国自体がブルローネを騒がせた元凶なことも多いので不安なんですよね。イタリアと揉めたりした時に、またアサシン発動とかなければいいのですが。そのあたりはエミリオが後ろ盾なので大丈夫なのかな。

そもそも教国とイタリアがぶつかる理由って、旧教国領/現イタリア領のブルローネに聖遺物があって口を出させたくないからだったと思うのですが、このあと聖遺物はどうなるんでしょう。あんなに何人もの運命を狂わせてきたほど大切にしている聖遺物なのに、守り人もいなくなっちゃって。もう封印も解けないので移動もさせられなくなっちゃって。

「ダンテが生まれなかったらニコラがカポだった」という話なので、ダンテもニコラもいないならまた別の親族が当主=守り人になるのかもしれないですけど…。

などなど色々考えてしまいますが、オルロックのためにも、もう教国はおとなしくしていてほしいです。

* * *
次回はダンテです。